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「山本カントクと愉快な仲間たち」山本晋也カントクの桃色青春伝【最終回】

ご存じ、山本晋也カントクが青春時代を赤裸々に語る連載もいよいよ最終回! 今回は山本カントクの一般作第一作目にして、伝説のカルト映画『下落合焼とりムービー』について語ります!!

後のスターたちが総出演撮影現場はやりたい放題!

キャスティングも、その時点でほぼ決まっていた。主演に所ジョージ、その相棒役に坂崎幸之助。以下、内藤陳、団しん也。劇団東京乾電池の柄本明、ベンガル、松金よね子。
劇団東京ヴォードヴィルショーからは佐藤B作、花王おさむ、坂本あきら。ビジーフォー(島田与作、グッチ裕三、モト冬樹、ウガンダ・トラ)に高見恭子、たこ八郎、タモリ、宇崎竜童。こう書き出すと豪華なメンバーだが、当時は皆、ほとんど無名だった。製作・配給は東映セントラルだが、キャスト表を提出したら東映の偉いさん方は、ほとんどを知らなかったんだ。「この主演の所ナントカってのは何者です?」「歌を唄ってる男です」「歌謡曲の歌手ですか?」「いや、自作自演で面白い曲を作って唄ってます」なんて説明した。シンガーソングライターなんて言葉も、年寄り連中は知らなかった時代だよ。

赤塚さんからの注文はただひとつ、「全員の個性を出してやってね」ということ。脚本は一応、滝さんと高平さん名義だけれど、余白に「ココ、ギャグよろしく!」と書いてある。だから内藤陳さんや団しん也といった芸達者とは「さて、何やる?」と相談しながら撮っていった。他も、当時は無名だったけど後に人気者になる素質ある連中ばっかりだったから、その意味では演出に苦労はしなかったな。

面白かったのは、この映画は「大日本下落合大学」という架空の大学を舞台にした作品で、所や坂崎がそこの学生という設定なんだが、つまりロケーションの80%以上が大学なんだ。それを鶴川にある和光大学を借りてやった。いや、正確には借りてない。だって、許可取ってないんだもの。あそこは自由な学校でね、学生たちが何をやろうと、教授や職員は一切関知しない。出演者の中に土方鉄人、飯島洋一という和光大学映画研究会の連中がいて、彼らが仕切ってくれた。

「カントク、いまは何番教室は授業やってないから使えます」なんて言ってね。学生諸君も面白がって大挙して画面に映ってくれたから、全員、出演料無料のエキストラだよ。オレは生涯で200本近い映画を撮ったけど、あんなに楽で自由なロケはなかったね。
残りの20%は当時、沼津に停泊してホテルとして使われていた、スカンジナビア号という豪華客船で撮影した。これが、ほとんど物語らしい物語のない、この映画のクライマックスだ。近江俊郎さん演じる「大日本下落合大学」の総長は、政界の黒幕と通じて闇の資金を受け取ってる。その黒幕役が赤塚さんだ。で、大学の創立25周年式典の船上パーティーのどさくさに紛れ、所と坂崎が、その隠し財産を強奪するという筋立てだ。

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