2016年09月06日 07時30分 公開

人に聞けない「下半身の病気」Q＆A

• 桃色コラム

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加齢とともにその悩ましさが増してゆく不具合。歩行時の痛み、排尿、排便、痔、そして性病……。識者が対策を明かす！

加齢とともにその悩ましさが増してゆく不具合。歩行時の痛み、排尿、排便、痔、そして性病……。識者が対策を明かす！

腰から下、“シモ”の不調や病気は人には話しづらく、病院に行くのも一日、また一日と延ばし延ばしにしてしまいがち。
しかし！　男性更年期障害に詳しい石蔵文信・大阪樟蔭女子大学教授（医学博士）が「中高年になると、前立腺肥大や勃起障害など下半身の不調や悩みが増える」と指摘するように、決して恥ずかしいことではない。誰もが通る道なのだ。

「下半身のことは恥ずかしさが先に立ち、受診をためらう方も多いのですが、医者にとっては、他の病気と変わらない同じ病気。恥ずかしがることはありません。何より、下半身の病気も早めの受診が大切です」
そこで今回は、中高年読者から寄せられた“シモの悩み”の解決法を専門家に直撃してみた！

中高年男性に意外に多いのが、実は「オシッコの悩み」である。これは、下半身の悩みの筆頭候補に挙げてもいいほどなのだ。
＜排尿の回数が多く、夜中何度も起きる＞（６１歳）
＜排尿のとき、きばらないと出ない＞（５８歳）

『宮元通りクリニック』（東京都大田区）の渡會敏之院長によると、排尿トラブルの原因は大きく二つあるという。
「一つが過活動膀胱によるもので、もう一つは前立腺肥大による排尿障害です」
はたして自分はどちらのタイプなのか、チェックしてみよう！　次の（１）と（２）のうち、どちらの項目により多くの印がつくだろうか？

（１）
□トイレの回数が非常に多い（日中７回以上、睡眠時３回以上）。
□トイレがあったら、とりあえず入る。
□トイレまで我慢できず漏らしてしまったことがある。
□１回の尿の量は少ない。

（２）
□排尿後も残尿感がある。
□オシッコが出始めてから終わるまで時間がかかる。
□尿に勢いがなく途切れる。
□オシッコがなかなか出ない、力まないと出ない。

（１）に多くのチェックがついた方は過活動膀胱で、（２）は前立腺肥大の疑いがある。
過活動膀胱は４０代から急増し、全国に約８００万人以上の患者がいるといわれる。原因は膀胱の排尿筋が過剰に反応（収縮）するため。それゆえ、あまり尿が溜まってないのに強い尿意を感じたり、トイレの回数が多くなるのだ。
原因は分かったものの、気軽にできる対処法はないものか……。そう思う方もいるだろうが、実はこの過活動膀胱は排尿トレーニングで改善できる。

トレーニングの基本は、尿意を感じたときにすぐにトイレに行かないこと。トイレに行きたいと思ったら、他のことを考えたり深呼吸をし、我慢する。この“我慢時間”を徐々に長くしていき、これを３か月くらい続けるとかなり改善できる。

前立腺肥大は、加齢にともなう現象で、６０歳を越えると２人に１人に肥大が認められる。一人で悩む必要はないのだ。前立腺肥大による排尿障害は、前立腺が膀胱のすぐ下にあり、尿道をグルリと取り巻いているために起こる。肥大すると尿道が狭められて、尿が出にくくなるのは当然のこと。
注意したいのは、前立腺肥大で尿が出にくい状態が続くことで、過活動膀胱になるケースが多いこと。
「前立腺肥大を抑える薬を処方すると、過活動膀胱も解消されるケースもかなりあります」（渡會院長）

まだ病院に行くほどではない、という方はかぼちゃの種を試していただきたい。
『東五反田クリニック』（東京都品川区）の小川秀彌院長によると、かぼちゃの種には前立腺肥大を改善する効果があるという。
「前立腺肥大に悩む男性にかぼちゃの種を服用してもらい、排尿の量やスピードを計測したところ、排尿のスピードで９０％の方にハッキリとした改善効果が認められました。また、前立腺の大きさも平均で１８～２０％小さくなりました」

かぼちゃの種は、洗った種を天日で１～２日干して、水を張ったボウルに入れて、わたを丁寧に取り除く。これをフライパンで軽く炒って種の中身を食べるだけ。目安は、１日２０～３０粒。ドイツなどでは、前立腺肥大の予防改善薬の材料となっているという。

中高年のシモの悩みは、性や性器に関するものも少なくない。
＜途中で中折れしてしまう＞（５４歳）
＜妻に求められても、ソノ気になれない＞（５８歳）
などだが、前出の石蔵教授は「まずはバイアグラを試す」ことを推奨する。
「バイアグラは、もともと血管を拡張する薬だっただけに、副作用もほとんどなく安全です。しかも、薬の特許期限が切れて安くなり、手軽に使えるようになったこともメリットです」（前同）