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身体とカネをむしられた女子大生

出会い系サイトで出会う相手は、基本的にお互いに何の接点もない見ず知らずの人だ。そして見ず知らずの相手は、当然、善人ばかりではない…。 フリーターの村井昌弘(28)が市内に住む女子大生の松田涼子(20)と出会い系サイトで知り合ったのは、1カ月ほど前のことだった。

被害者:松田涼子(20)大学生
犯行手口:無理に飲酒運転させた後、あらかじめ打ち合わせた仲間が運転する別のクルマで接触事故を起こし、飲酒運転であることを理由にして現金をだまし取った。
犯人:村井昌弘(28)フリーター 小島貴司(25)会社員 ほか

 出会い系サイトで出会う相手は、基本的にお互いに何の接点もない見ず知らずの人だ。そして見ず知らずの相手は、当然、善人ばかりではない…。

 フリーターの村井昌弘(28)が市内に住む女子大生の松田涼子(20)と出会い系サイトで知り合ったのは、1カ月ほど前のことだった。出会ったその日のうちにホテルに行き、朝まで互いの身体を楽しんだ。村井は一度きりの遊びのつもりだったが、わりと気に入った女性だった。そこで、しばらくしてから聞き出した携帯電話にかけてみると、涼子はすぐにやってきた。村井は迷わずホテルに誘った。
「ああん、たまらない。そこ、…もっと!」
 ホテルでは、涼子の方が積極的だった。楽しむということに関しては、女性は男よりも熱中しやすい。涼子もそういうタイプだと、村井は腰を突き上げながら感じた。
「イクーッ!」
 身体を震わせて絶叫する涼子を見ながら、村井はふと思った。
(この女、使えそうだ…)
 ある日、ホテルからの帰りに村井は涼子をカラオケに誘った。ボックスのなかでは盛り上がった。そして、何曲か歌った後で、村井は涼子にサワーのグラスを差し出した。
「ううん。今日はクルマだからダメ」
 だが、村井はそれを承知で言った。
「少しくらい大丈夫だよ。今日は平日でクルマも少ないし、気をつければ平気だから」
 笑いながら言う村井に、つい涼子はグラスを受け取り、ほんの半分だけ飲んだ。
 その帰り、涼子が運転する軽自動車に、いきなり後からクルマが追突してきた。
「いやー、すいません」
 相手のクルマから降りてあやまる男2人に、村井が言った。
「どうしてくれるんだよ。まったく…」
 4人で話をしているうち、相手のひとりが言った。
「彼女、お酒飲んでいるんじゃないの?」
 すると、すかさず村井が言った。
「バレちゃったか。それじゃ仕方ないな。警察は呼べないよ」
 そして、村井は続けた。
「飲酒運転の罰金は高いからなあ。30万円くらい取られるよ。それから、こいつらにも口止め料を払っておかないと…」
 事故であわてている涼子から、村井は50万円を払わせた。
「おい、うまくいったな」
「フフフ。世間知らずの女子大生なんて、本当にバカだよ」
 村井と男たちは、最初からグルだった。村井が涼子に酒を飲ませて運転させ、そこにわざとクルマを追突させてカネをだまし取る計画だった。
 だが、数カ月後、村井らは詐欺の容疑で逮捕された。おかしいと思った涼子が友人に相談し、警察に通報したからである。
 さらに、村井たちは同じような手口で、ほかにも女子大生やOLから現金をだまし取っていた。被害総額は200万円以上だった。

 村井たちの犯行は、いわゆる「当たり屋」の手口を利用したものだが、飲酒運転なら女性が通報しないとたかをくくっていたのであろう。見ず知らずの相手と出会えるという出会い系サイトの特性を悪用し、親しくなった女性を騙した彼らに厳罰がくだることは間違いないだろう。

※登場人物はすべて仮名です。

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